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東洋医学から学ぶ 犬や猫の病気と東洋医学について鍼灸治療

犬や猫の病気と東洋医学について鍼灸治療

 

近年、犬や猫たちの寿命は伸び続けていますが、それにともない病気も多様化しています。

人と同じように犬や猫たちも生活習慣病やがんなどにかかる率が高くなっています。

西洋医学による検査では特に異常がない場合でも、犬や猫が元気がないときは、飼い主としては心配です。

犬や猫も人と同じように経絡がありますが、経絡上のツボを刺激することで、全身のあらゆるところを治すことも可能です。

 

 

中獣医学とは

中獣医学とは、獣医学に中医学(東洋医学)を取り入れたものです。

人の病気をピンポイント治す鍼灸治療の効果は世界でも認められていますが、その治療方法を応用したのが犬や猫のための中獣医学です。

東洋医学の診察法に欠かせないのが四診ですが、四診には望診、聞診、問診、切診の4つがあります。

この四診を犬や猫の診察にも用い、脈や舌、体の臭い、毛の状態などを観察し、症状に応じた的確なツボを刺激していきます。

 

・望診

望診とは目で観察する診察で、舌の色や舌の苔でトラブルの原因を探ります。

 

・聞診

鼻で臭いを嗅ぎ、鳴き声なども聞きます。口臭や体の臭い、排せつ物の臭いなどを調べます。

 

・問診

飼い主に症状や様子を聞きます。

 

・切診

犬や猫のお腹などに直接触れて診察材料とします。

 

鍼灸治療の適応症例

椎間板ヘルニア、関節炎、股関節形成不全、変性性脊髄症(DM)などの疼痛緩和、麻痺改善などに効果があります。

他にも高齢で足腰が弱ってきた、何となく元気がない、虚弱体質、アレルギー体質の犬や猫の気を補う治療としてや末期がん等の緩和ケアや手術後のリハビリとしても効果が期待できます。

 

 

・椎間板ヘルニア

症状が比較的軽いものや、慢性的な場合には有効です。

脊髄軟化症など重度なものに対しては、鍼灸による治療では改善しない例もあります。

 

・関節炎

外科手術が適応とならない慢性関節炎に鍼灸が効果的です。

 

・股関節形成不全

股関節形成不全や膝蓋骨脱臼症などにおける痛みの軽減に鍼灸が適しています。

 

・変性性脊髄症(DM)

痛みを伴わず、ゆっくりと進行する脊髄の病気です。現時点でDMを治す治療法はないと言われていますが、マッサージなどのケアを定期的におこなうことで症状を和らげることができます。

 

・慢性腎不全

犬と猫は腎臓が悪くなる確率が高いといわれています。
しかし、その原因は不明といわれており、粗悪なペットフードが関係している場合もあるのではないかも言われています。人と同じように食生活の改善が必要です。

 

・老齢による体力低下

何となく元気がない場合は、漢方薬などによる治療が適しています。

 

西洋獣医学と中獣医学(獣医中医学)について

西洋獣医学では、投薬、外科的手術などを部位ごとにおこないます。

中獣医学(獣医中医学)は、東洋獣医学とも呼ばれ、体全体の関わりをみながら不調を取り除きます。

 

・中獣医学(東洋獣医学)の歴史

中国の一万二千年前の旧石器時代の遺跡から家畜であっただろう豚の骨が発見されていますが、おそらく八千年前の新石器時代には、動物の治療が行われていたのではないかと考えられています。

獣医という職業は、約三千年前の周の時代に誕生しました。

漢方の歴史は約4千年前からなので、この頃から人が薬草類を煎じて飲んだり、食べたりしていたように、家畜にも薬効のある野菜を食べさせていたようです。

その後も農耕に使用する牛や馬といった家畜に鍼灸治療を施した記録がありますが、現代の犬や猫に行う方法は、かつて牛や馬などに用いた鍼灸治療の大型動物の治療が応用されています。

 

・中獣医学の現状

犬や猫ヘの鍼治療は人への治療と同じで、髪の毛ほどの細い鍼を犬や猫の体にある経穴に刺してツボを刺激することで治療します。

鍼に電気を流す電鍼療法や、低出力レーザー光線を患部に当る方法などがあります。

犬などは吠えるのではないかと思われがちですが、気持よさそうにおとなしくしているようです。

人の病気の多くがストレスが原因と言われていますが、現代社会においては犬や猫も同様のようです。

犬や猫の治療方法としては次のようなものがあります。

 

 

①健康のために有効な薬草類を用いた漢方薬による治療

②火をつけた艾(もぐさ)を経穴に置いて加熱刺激する治療

③鍼治療やレーザー治療

 

鍼灸治療は主に犬を対象としている所が多いので、猫などの場合は問い合わせてみましょう。動物の骨格上、犬は猫などの動物よりも骨格が安定しているので、効果が届きやすいようです。

中獣医学の現状として、日本の獣医系大学では鍼灸を含む東洋医学の分野は必須科目でないため、独学で勉強をした獣医師がほとんどのようです。

 

 

診療費用について

継続した治療が必要なため、経費がかかりますが、 ペット保険に入っていれば、病院によっては鍼灸治療も保険の補償対象になることもあります。
鍼灸治療 は副作用が少なく、取り組んでいる病院も増え、保険適応しているところもあるので、ネットなどで調べてみましょう。

たとえば、小型犬で椎間板ヘルニアの場合かかる費用は、初回は1万円前後、2回目からは1回につき5,000円~6,000円くらいが相場のようです。

 

 

まとめ

ほとんどの犬は、注射は苦手で震えたりおびえたりしますが、鍼灸治療ではリラックスしています。

人におこなう鍼灸治療では体質改善を目指していますが、犬や猫も生活習慣を見直し体質改善をはかることが必要です。

従来の西洋医学的治療だけでは治しきれない複雑な症状や疾患が増えてきている中で、中獣医学は注目を浴びています。

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